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りんごひとつ

「土の歌」

混声合唱とオーケストラのためのカンタータ「土の歌」という、合唱を嗜む人であれば誰もが知っていると言われる歌がある。大木惇夫氏作詞、佐藤眞氏作曲。大木氏は広島で生まれ、戦時中は愛国詩を多く書き、奇しくも福島に疎開し終戦を迎えた人物である。その人生がこの詞に凝縮されていると思う。

七楽章は次のような構成となっている。
  第一楽章「農夫と土」
  第二楽章「祖国の土」
  第三楽章「死の灰」
  第四楽章「もぐらもち」
  第五楽章「天地の怒り」
  第六楽章「地上の祈り」
  第七楽章「大地讃頌」
「大地讃頌」だけを知っている人も多いかと思うが、当然ながら、第一楽章から第七楽章までを通して意味を成す。

「死の灰」は、文字通り、日本に投下された原爆を描いている。
  世界は絶えて滅ぶかと 
  生きとし生けるもの皆の 
  悲しみの極まるところ
  死の灰のおそれは続く
  文明の不安よ 科学の恥辱よ 人知の愚かさよ

「もぐらもち」は、核で汚染された世の中を恐れもぐらのように地にもぐって暮らす人間の姿を映している。たいへん辛辣な歌である。
「天地の怒り」は、今は詞を追うのが辛い。
天地は人の為したことを怒りこのような「今」を我々に与えた。我が身を省みよ、まだこれでは足りぬ、と天地が言っているのだ。誰しもが等しく省み謹み今を見つめ、歩いていかなければならない。そういう意味を持たせる歌だと思う。

「祖国の土」にはこのような詞がある。

  山河よ
  さくらの 菊の
  花さく丘よ
  顔あげて
  堂々と 踏みしめて
  この土を 踏みしめて
  この土を 譲ろうよ
  祖国の土を

誇りを持って「私は日本に生まれた」と言える日本であって欲しいと思う。
by paradeisapfel | 2011-04-11 20:56 | 日記
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のんびりと、そして慌しく過ぎていく日々の狭間で、思うことを綴っていきます。たいせつなことを忘れないように。

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